職場で日本イベント “Sushi night” (1) 企画編

フィンランド食文化

こちらに移住して良く感じること。
それは日本への関心が思った以上に高いことです。国籍を問わず、いろいろな視点から日本に対する興味を持ってくださる方にたくさん出会います。

5月末に、親睦を深めることを目的に、ダンナの職員と日本イベントを企画・実施しました。

この記事はシリーズ編でやってみようと思います。今回はどのように企画を進めたか紹介します。
外国語を使って異文化交流会を企画するときの参考になればと思います。

コンセプト = “Sakura Matsuri” Sushi Night

今回のイベントを企画するにあたって、まずはコンセプトを考えました。

名付けて“Sakura Matsuri” Sushi Nightです!

ヘルシンキでは毎年5月にお花見イベントがあります。桜 (Sakura) の知名度は高いです。

事の発端は、職場の同僚に加えて家族や知人とも交流したいと思ったこと。
そして、フィンランドのエッセンスを加えた日本イベントをやってみたいなと思ったこと。
以下3点を意識して企画することにしました。

  • 誰でも気兼ねなく参加できる
  • 積極的に体験できる
  • 季節を感じられる

職場はインターナショナルな環境であることを考え、年齢、性別、文化的背景、考え方の違いを考慮してやることを決めました。

この時期、フィンランドは夏本番です。
現地流に、外でできるアクティビティーを1つはしようと決めました。

東アジア出身でフィンランド在住歴が長い同僚と相談した結果、

・折り紙
・書道
・スイカ割り
・日本料理 をすることに決まりました。

具体的なプラン決め

折り紙、書道

どちらも外国での知名度が高い日本文化です。
折り紙は”Origami”
書道は”Calligraphy”や”Japanese brush writing”などと言えば伝わることが多いです。

折り紙はダンナとヨメが日本から沢山持ってきていました。
また、ヨメが長らく書道を習っていたこともあり、道具の準備は簡単でした。

イベントは5月の開催、そしてハリウッド映画「Shogun」が話題になっていたこともあり、かぶとを折ることにしました。

書道では、実際に筆で文字を書く感触を楽しんでもらい、お手本を見せながら好きな文字を書いてもらうことにしました。

年始に自宅で書初めをした時の写真です (ダンナ作)。へたっぴながら楽しめました。

②スイカ割り

フィンランドでは5月ごろからスーパーに出回り始めます。
春が訪れ日が長くなるこの時期、外に出かけてピクニックやBBQをすることが良くあります。

少し早いですが日本とフィンランドの夏要素を融合して、
スイカ割りをすることにしました。

と言っても、5月のスイカはひと玉6€ (約1000円、1€170円換算) と高いです。
緑のビニール手袋に食紅を溶かした水を入れ、棒で割ることにしました。
トーナメントを行い、決勝戦を本物のスイカで行うことにしました。

6月に入ってから、ひと玉500円ほどにセールされるようになりました

③日本料理

ヘルシンキでは意外と多くのお寿司屋さんや日本料理屋さんがあります。
職場や友人にも日本料理について良く聞かれます。

でも、日本人と外国人が考える日本料理にはまだまだギャップがあるようです。
少しだけ実例を挙げてみます。

日本料理と言えばお寿司、ラーメン、とんかつ
→実際はもっとバラエティーがある

お寿司 = 握り寿司、日本人は握り寿司を自宅で作る
→手巻き寿司やちらし寿司なら自宅で作れるが、握り寿司は買ってきたり食べにいくことが多い

日本人は自宅でもお店のようなラーメンを作る
→即席麵か袋ラーメンがメジャー

ヘルシーだから日本料理は素晴らしい
→多くの日本人は美味しいからこそ日本食を食べるのでは?

挙げればきりがありません。もちろん、欧米の食文化にフィットした日本食を提供することは大事でしょう。ただ日本人目線からすると、それは違うよとどうしても突っ込んでしまいたくなります。

スーパーで見かけるお寿司。アボカド寿司、ソースべた塗り寿司、前衛的なネタ (フルーツやパプリカ) に対して釣り合わぬ値段(1€=170円換算で約3700円)

このイベントを通じて日本人がホームパーティーで作るような日本料理を食べてもらうことで、日本食をもっと楽しんでもらいたいと思いました。

また、全員参加型の体験を通じて日本食への理解を深めてもらいたいと思い、広めのキッチンスペースを借りてみんなで一緒に料理をすることにしました。

そして、お寿司やラーメンだけでない日本食の魅力を伝えられたらと思い、外国人は誰も知らないけれど日本人にはなじみの深い料理を中心に用意することにしました。

・手巻き寿司
・ちらし寿司
・ラーメン
・胡麻ドレッシングのサラダ
・筑前煮
・白玉+あんこ+アイスクリーム
・お好み焼き → 実際には作りませんでした

外国人は誰も知らないだろうと予想して筑前煮を作って持っていくことにしました。
日本らしい味付けとは何かが良くわかる料理だと思います。
しかも、かつおだしやお肉を使わなければビーガン対応です。

飲み物も用意しました。
・緑茶 (今回は嬉野茶)
・麦茶 (佐賀県産の麦茶)
・日本酒 (フルーティーな銘柄)
・梅酒

招待状を送る

大まかな構成を練った後で
メーリングリストを使ってイベントをアナウンスしました。

イベントの趣旨や内容を説明するとともに、
1か月は余裕を持たせた候補日を挙げて出席を取りました。

ダンナの職場での共通語は英語なので、イベントのアナウンスも英語で行います。
ちなみに、ヨメが現在通っている語学学校の共通語はフィンランド語なので、事務連絡や就職活動は基本的にフィンランド語で行っています。

メールには以下のようなことを含めました。
・イベントの趣旨
・プログラム
・メニュー
・日時のアンケート
・同伴する家族や恋人などの人数
・食事の制限

一緒に企画してくれた同僚Aさん(仮)には企画内容やメール送信内容を確認してもらいました。
ありがとうAさん…!

企画をしてみて

企画しながら同僚と話していて、
日本文化への興味は世界各地で高いことを改めて実感しました。

日本人である自分がイベントを主催することで、日本への関心を強めてもらえると良いと感じました。

ヘルシンキ市内で行われる日本文化イベントには、これまで多くの方が尽力されたと聞きます。相互に交流しながら世界各地で良い関係を築き上げてきた方々が幅広い分野にいらっしゃることが、自分たちが異国の地で心地よく過ごせていることに繋がっていると思います。自分たちも、オープンな姿勢でお互いの理解を深められたらと思います。

企画段階で重要だと思ったのは、仲間を集めることです。
特に、フィンランド在住歴が長い東アジア出身の同僚には本当に助けていただきました。その方は過去に日系企業で勤務したことがあるため、日本の食文化にとても明るいです。料理の話はとても盛り上がり楽しかったです。

また、偶然にも日本語学習歴が長い同僚がいたため、特に書道について相談することができました。

あくまで同僚との親睦を深める会です。
子どもさんや恋人もみんな参加できるよう、日本文化の押し付け (?) にならないよう、同僚とコミュニケーションをとりながら企画できたのは良いことでした。

というわけで、企画編は以上になります。
今後は買い出し編、当日編に分けてアップしようかと思っています。

それでは。Moi moi!

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