国際線のフライトで遅延や欠航があると、かなり焦りますよね。
実は、日本とヨーロッパを結ぶフライトに大幅な遅延や欠航が生じたときに補償される場合があります。
遅延や欠航の補償に関する規則
これはEU規則 261/2004に則った取り決めであり
対象となるフライトが一定程度、遅延や欠航した際に、補償を受けられるものです。
(出典・邦訳:EU261.jp、一部改変)
対象となるフライト

注) 共同運航便 (コードシェア便) の場合
運航会社がその責を負うこととなっています。
そのため、EU外からEU内に行く便に関しては、運航会社がEU内に拠点を置く場合に補償の対象になり得ます。
「遅延」とみなされるケース
(a) 飛行距離が1,500キロメートル以下の場合は2時間以上の遅延
(b) 1,500キロメートルを超えるすべての域内(EU域内)便および1,500〜3,500キロメートルのすべてのその他の便の場合は3時間以上の遅延
(c) (a)および(b)に該当しないすべての便の場合は4時間以上の遅延
日本とフィンランドを繋ぐフライトは条件(c)に相当します。
補償されるケース
- オーバーブッキング
- 欠航
- 運航会社 (Finnairなど)によるストライキ
- 航空会社の責任による遅延 (整備不備、運航計画ミスなど)
補償されないケース
- 深刻な天候条件
- 航空管制機関のトラブルや出発待機指示
- 政治的不安定性
- 治安上のリスク
- 空港職員や航空管制官など第三者によるストライキ
補償内容
(a) 1500キロメートル以下の全フライトについて、250ユーロ
(b) 1500キロメートルを超えるEU加盟国内のフライト、および1500キロメートルから3500キロメートルまでのEU加盟国外へのフライトについて、400ユーロ
(c) (a)または(b)に該当しない全フライトについて、600ユーロ
フィンエアーの規約
フィンエアーの公式HP (フィードバックと補償) に関して、搭乗者の権利 (Finnair Notice on Passenger Rights) にも同様のことが書かれています。

フィンエアーは、以下の場合に飲み物および/または食事、さらに通信手段(電話やメールなど)を提供します。
- 1500km以内のフライトで2時間以上の遅延
- 1500kmを超えるEU圏内のフライトおよびその他の1500-3500kmのフライトで3時間以上の遅延
- 3500kmを超えるEU圏外からEU圏内へのフライトで4時間以上の遅延
もし予定されていた便の出発が翌日に延期された場合、必要に応じてフィンエアーはホテル宿泊を提供します。5時間以上の遅延が発生し、その便が乗客の当初の旅行計画においてもはや意味をなさない場合、乗客は旅行をキャンセルする権利があります。その場合、フィンエアーは航空券代金を払い戻します。すでに旅行が開始されている場合は、フィンエアーは乗客を航空券に記載された最初の出発地まで輸送します。
また、3時間以上の遅延が発生した場合、遅延が「異常な状況(extraordinary circumstances)」によるものでない限り、乗客は搭乗拒否の場合と同額の補償を受ける権利があります。
EU規則 261/2004とは一部異なりますが、フィンエアーの規則を見る限りは、オーバーブッキング、欠航、フィンエアー職員によるストライキ、航空会社の責任による遅延 (整備不備、運航計画ミス)などが原因で、3時間以上の遅延が発生した場合、遅延が「異常な状況」によるものでない限り、乗客は搭乗拒否の場合と同額の補償を受ける権利がある」ようです。
ちなみに、上述の【対象となるフライト】の通りですが
EU規則261/2004は、フライトがEU域内の空港を出発する場合、JALやANAのような日本の航空会社にも場合によって適用されます。
また、共同運航の場合、運航している航空会社 (operating air carrier) が責任を負います。したがって、チケットに書かれた便名ではなく、実際に飛行機を運航している会社が誰かで決まります。共同運航の場合、補償請求は運航会社に行いましょう。
JALの公式HPでは以下のような記載がありました。

手続きに関して
フィンエアーではお問い合わせフォームを通じて、補償申請を受け付けているようです。
当ページの記載では、次のように書かれています。
EU規則 261/2004に基づき、運航予定への混乱に対する補償の請求を希望される場合は、運航予定の混乱が生じた日から2か月以内に補償請求を提出してください。ストライキ、気象条件、航空機の安全を脅かす不測の事態の発生、航空交通管制の判断など、特別な状況下で発生した遅延や欠航につきましては、補償は支払われない場合があります。予めご了承ください。
フィンエアーの補償規定では、補償をフライトギフト券で応じているようです。
補償をギフト券の形でお支払いする場合、本来の補償額に50%上乗せした価額をご提供します。例えば、補償額が100ユーロの場合は、150ユーロのギフト券を差し上げます。ギフト券は換金もできます。ただし、換金される場合、50%の上乗せはなく、お受取額は元の補償額となります。
補償申請の期限は、航空会社の本社所在地の国がどこかで変わるようです。詳細は航空会社のホームページ等をご参照ください。
*なお、2025年8月14日の時点で、フィンエアーの払い戻しサービスは混雑しているとのことです。
最後に
フィンエアーを含め、それぞれの運行会社や状況によって対応が異なることが想定されます。運行会社に直接ご確認いただくようお願いします。
皆さまの旅が良いものになりますように。
*本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を行うものではありません。実際の補償可否や請求方法については、必ず公式情報や専門家にご確認ください。当サイトは、本記事に基づいて行われた行動の結果について、一切の責任を負いません。

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