【ヨメ】フィンランドのセカンドハンドで働いてみた

フィンランドの働き方
ヨメ
ヨメ

語学学校のカリキュラムの一環でKierrätyskeskus(セカンドハンド店)でインターンをしてきました。日本のセカストやブックオフのような雰囲気でありながらも、少し違った体験をしたのでシェアします。

Kierrätyskeskus(キエッラトゥスケスクス)とは

ヘルシンキ近郊で展開する、非営利のリサイクルセンター兼セカンドハンドショップです。
1990年に設立され、主に天然資源の消費削減と雇用促進を掲げています

ヨメのような移民を含む求職者に雇用機会を提供し、再就職を支援している場所でもあります。

生活雑貨や電化製品、家具、スポーツ用品など扱っている店舗もあり、商品は多岐に渡ります。
実店舗だけでなくオンラインショップもあります。

私が担当していたのは、実店舗での服部門とホームテキスタイル部門の販売、接客です。

黄色で囲ってあるマークがKierrätyskeskusの目印です。
これは夏服と夏の靴の半額セールしているときの広告。

勤務期間、勤務時間

勤務したのは秋から冬にかけて、合わせて9週間。
勤務シフトが昼、夜と分かれており、私は昼シフトでした。勤務時間は8時半から15時半です。

昼休憩が30分、Kahvitaoko(小休憩)は15分。
フィンランド語で”Kahvitauko”はコーヒー休憩と直訳できますが、コーヒーを飲まなければいけないということではありません。
お茶を飲んだり、軽食を食べたり、同僚と話したり…自由に過ごしていい時間です。

ちなみに。フィンランドの職場のキッチンには必ずコーヒーマシンがあります。そしてコーヒーに入れるミルクやオーツミルクも常備されています。(リプトンなどの紅茶もあります)

こういうコーヒーに入れるミルクがどこにでもある。カフェにも。

開店の準備

8時半から朝のミーティングが始まります。
フィンランドは基本的に時間通りに始まるので、日本人と似ているところがあります。

ミーティング後、昨晩のシフトの申し送りを確認します。
もちろんフィンランド語で書いてあるので、意味が分からないときは同僚に聞いていました。

その後売り場に行き、お客様が商品を購入しラックに残ったハンガーなどを取り除き、商品を種類や色、素材ごとに分け、均等に並べていきます。

昨晩のシフトに誰も出勤していないときがあり、その時は商品の配置が乱れたり試着後の服が大量に積まれているので、それを配置しなおしたり、整理したり…

売れてなくなっている商品があると「売れたんだな~嬉しいな~」と思いながら、開店前の30分はあっという間に過ぎていきます。

開店、接客

Kierrätyskeskusには商品が毎日大量に入荷されるので、それをせっせと売り場へ陳列していきます。

お客様は午後から増える傾向があり、私は午後の時間が好きでした。
少し前かがみになりながらじっくり商品を見ていく人々をみて、どんな人がどのような商品に興味をもっているか、どのような導線で買い物しているか、視線はどこをみているか等、観察しながら働いていました。

お客様の中には「○○がほしい!」と目的を持って買い物にくる方もいましたが、何か素敵なものと出会えるのではないかと思うウキウキ感を求めていたり、いいものに出会ってほくほくとした気持ちでその商品をお家に迎えたいと思っているお客さんが多いように感じました。

そして一人一人違う「素敵なもの」を見つけやすくするお手伝いができればいいなと思いながら、毎日働いていました。

売り場の違い

働いていていくつか日本と違う点があったので紹介します。

・衛生観念が日本に比べて低い

これは海外に住めばどの国でも感じることだと思いますが、やはり衛生観念において日本を勝る国はないと思います。
さすがに中古だと言え、使用感がありすぎて過ぎて売れないだろ…と思うものが売れたりします。特に靴やバッグ等。

・片方の靴が行方不明になる

靴を試着した後、つま先同士を合わせずに置く、靴の上に靴を置く、靴の一方をどこか離れたところに置くお客様がよくいました。
これほど片方の靴さがしをしたのは初めての経験でした。
日本のアパレルでも、こういうことはよく起こることなのでしょうか?

ポーチと靴を同じ棚に配置しているというのもポイント。後で配置場所の変更を提案しました。

・下着も売れちゃうよん

男女問わず、下着をお買い求めになる方がたくさんいました。
さすがに綺麗な状態のものばかりだったけれど…私には買う勇気がありません。

・中古の木の板も需要がある

フィンランド人のお兄さんに聞かれました。「木の板、どこに売ってる?」
聞かれるまで中古の木の板が売られていることを知らなかったためうまく答えられませんでしたが、後に様々なサイズの木の板が売られていることを知りました。

フィンランドでは日曜大工の程度がレべチなので、中古の木材も需要があるのも納得です。

・イベント時のコスチュームを買いにセカンドハンドへ

ハロウィーンの季節以外にも、何かと仮装していくパーティが日本よりも多く(私だけ?)、リサイクルセンターやセカンドハンドでコスチューム用の服を購入する人がいます。

・友達や家族へのプレゼントをセカンドハンドで買う

日本では新品を買いお店でラッピングしてもらいプレゼントすることが一般的です。
一方フィンランドでは中古品を買い、自分でラッピングして渡すこともよくあります。

ワークカルチャーの違い

・上司や同僚との上下関係がないので、商品の配置の提案や職場環境の工夫がしやすい
また細かく指示をされないので、自分で考えて行動する必要があります。
下っ端でも上司に積極的に提案することは良いことと捉えられます。

・風邪でよく休む
インターン2週目の月曜日、部門のスタッフが皆風邪で休みました。私1人で部門を回しました。

・他のインターン生がどう見てもさぼって休んでいるのに、「彼女は風邪だから」と信じて疑わない
フィンランドは信頼の文化。私みたいな心の汚い人がみると「これ、簡単にずるできちゃうよね…?」という場面がたくさんあります。

・時間になったらすぐ帰る
もちろんお疲れさまでした、に代わる言葉もなく、颯爽と帰っていきます。さよなら~

・仕事は完璧を求めず、できる範囲でやっている
日本のようにお客様も店員も高いサービスを求めていない印象です。(高級店は違います)
だからこそ店員に余裕があり、笑顔が自然です。

ひそかな楽しみ

日本のハンカチや無印良品の商品、日本語で書いてある商品もたまに入荷してきました。
それらをフィンランド語に訳し、お客さんが商品について理解できるようにすることで売れたときは嬉しかったです。

また可愛い商品が入荷してきたときに、「これ、売れてほしいな~」を思った商品は、インターン中に売り切ると勝手に目標を立てていました。
ディスプレイなどを工夫することで新しいお家に旅立っていったときは親心を感じました。

パンダとキツネの人形型リュック。ここだと売れないので配置を変えたら無事新たな持ち主が決まりました。ちびっこの背中で元気にするんだぞ…!

まとめ

フィンランド人と日本人のサービス感覚が違うので、どこまで仕事をすればいいのか、フィンランド人のセカンドハンド文化を壊さない程度にどこまで提案していいかは少し悩むポイントでした。

しかし上司も提案を快く聞いてくれたので、「アイデアを採用されたらいいな」くらいの気持ちでゆるく向き合うことができました。
これからはまた現地の学校に通いながら、就活をしていく予定です。

長くなってしまうので、今回の記事はここまで。
次の記事ではどんなお客さんが来ていたのか、どんな商品が人気だったかもお話できたらと思います!

ではMOI,MOI!

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