フィンランドのKierrätyskeskus(セカンドハンド)で働いてみたお話の続きです。
以前のハナシはこちらから
セカンドハンドは身近な場所
フィンランドではセカンドハンドに行ったり、フリーマーケットに行くのが好きな人がたくさんいます。私も春から夏にかけて開かれるフリーマーケットが待ち遠しいです…!(この記事を書いている今は冬真っ只中)
毎度恒例のフィンランド語の教科書の例文にも、もちろん出てきます。
Mitä sinä teet vapaa-ajalla?「自由時間に何をしますか?」
Minä käyn kirpputorilla.「フリーマーケットに行きます」
こんな感じに。
実際、フィンランド人の友達とセカンドハンドショップに行くことが往々にしてあります。
実に老若男女、さまざまなお客さんが来る
どんなお客様がお店に来ていたか例を挙げると…
ベビーカーを押してくるお母さんやお父さん、歩行者を押してくるおばあちゃん。
試着室に2人で入って試着を楽しむ女子高生。
彼氏・彼女の靴やニット帽を互いに選んでいるカップル。
スニーカーやアウターをお目当てに買い物しにきたヘッドフォンをつけたお兄ちゃんたち。
防寒のため頭から足の先まで覆われ、もこもこになった状態で家族とお買い物をするちびっこ。
金髪に黒のコートが似合うおしゃれな女性。
蛍光色のベストを着てみんなで手をつないで見学に来る保育園児たち。(フィンランドの保育園児は原色系の防寒具+蛍光ベストを着て寒さ対策万全!)
学校の環境教育の一環として来て、けだるそうな雰囲気を醸し出している高校生たち。
Xが何個ついているかわからない特大サイズの服を買い求める大きな男性。
今年初めてフィンランドに来て、フィンランドの冬に耐えうるアウターはないかと聞いてくるインド人家族。
犬を連れてゆっくり買い物を楽しむおばあちゃん。(フィンランドでは犬と一緒にお買い物する人がよくいる)
日本ではまず見ない超セクシーなランジェリーを選んでいる女性。
お気に入りのブランドのニット帽を見つけて歓声をあげる大学生。
お父さんがちびっこに靴をはかせ、足に靴がぴったりはまって拍手している二人…
年齢も性別も大きさも人種も様々です。
お客さんとの会話は楽しい
お客さん同士で英語を話す人は少なく、フィンランド語はもちろん、自国の言葉を話すお客さんが多くいます。
一方お客様が私に話しかける時はフィンランド語、または英語で話かけてくれました。
ときに日本人のお客様が来ることがあり、その時は日本語で対応しました。
YOUTUBEやガイドブックを参考にしてきました~という方がたくさんいて…こんなところまで…(正直そこまできれいじゃないのに)…感謝!!
と思いながら接客させていただきました。
中国人のお客さんとわずかに知っている中国語で会話できたのも嬉しかったです。
基本的に値段がお手頃なので、新生活に必要なものを購入しに来る留学生などもいて、さまざまなバックグラウンドを持つ方々と話すことができ、とても楽しい経験でした。
働いていて気づいたこと
あくまでも私の意見です。
・中高年は原色の服を、若い世代は黒やベージュなどのシンプルなものを選ぶ
日本の中高年以上の女性は、落ち着いた色を選ぶ人が多い気がします。
一方フィンランドでは赤やピンクなど派手な色のアウターやボトムを履いている人が多くいます。
若い世代は落ち着いた色を好む傾向があります。(夏を除く)
ティーンエイジャーの女の子は、裾が若干フレアになっているボトムを履いている子が多い気がします。こんな感じ↓
・サブカル好きな人も多い
店柄もあると思いますが、日本語やアニメキャラが印刷されているTシャツ、ロリータ系の服を着ているお客様も来店していました。ちなみに変な日本語Tシャツを着ているフィンランド人はよくいます。(モールで日本語Tシャツが売られている)
・夏になると明るい色の服を着る
これはもう冬の暗さと長さの反動の影響と、フィンランドの夏が美しいからですね!
・あらゆる世代がセカンドハンドに来る
日本のセカンドハンドショップではお客さんの年齢層に偏りがありそうですが、フィンランドのセカンドハンドは本当に幅広い年齢層に人気です。小さい赤ちゃんがベビーカーに乗せられてきていると思いきや、あちらではシルバーカーを押しているおばちゃん、おじいちゃんがいます。
そしておしゃれに気を遣っている人も、自由なファッションを楽しんでいる人も、着れればなんでも良い!と考えている人も、みなWELCOM!
無料コーナー
売り場で商品として売れなかったものや、商品にならないものは無料コーナーに置かれます。
商品の質と値段が合わなかっただけで、質としてはいいものが残っていることもあり、アルマーニのネクタイなども無料コーナーに行っていました。
そのため人々が無料コーナーに群がり、服などの奪い合いをしたり言い合いをしている場面に遭遇することもあり、フィンランドの闇を何度も見ました。
(週に2回以上来る常連さんもいてなんでだろう…と思っていたら、彼らは無料コーナーの開店に合わせて来ているという事実も後に知りました。)
時に無料コーナーにはどう見てもごみが置いてあります。
これはスーパーで買える安いクリームチーズの「ふた」
これはさすがにごみ箱行きでいいのでは…
売れ筋だったもの
働いたのが秋から冬だったので、季節のものも含んで紹介します。
当部門で人気だったもの
・帽子、ニット帽、手袋
女性・男性に関わらず人気の商品です。
特に冬場は男性向けのニット帽が飛ぶように売れます。
・旅行鞄(スーツケース)
「スーツケースが欲しいから」という理由だけで来店した方を何度か対応しました。
比較的状態が良いものはすぐに売れてしまいます。
(私としてはスーツケースは壊れたら困るので新品を買いたいところですが)
・ボトムス
トップスよりも有名ブランドの品が入荷することが多く、性別問わず人気の品でした。
・下着
特に女性下着は売れます。日本では抵抗がある人が多いと思いますが、国が違えば文化も感覚も違います。
他部門で人気だったもの
・食器やカトラリー類
フィンランドでは100均のような手ごろで質が良いお店はありません。
新品のキッチン用品をフィンランドで買うと、感覚的に日本の3~4倍します。
フィンランドに移住したての時は、セカンドハンドでキッチン用具を揃えました。
日本だと使う機会がないですがフィンランドでは必需品のチーズスライサーや、タルトを切るための可愛いケーキサーバーもここで見つけられます。
・編み物の道具や材料など
編み物というと日本では中高年以上に人気があるイメージですが、フィンランドでは若者にも編み物文化が浸透しています。(バスや飛行機の中で毛糸を編んでいる人も!)
毛糸や編針、ボタンにいたるまで沢山の種類が売られていて、世代問わず人気の商品でした。
まとめ
日本とは少し違うフィンランドのセカンドハンドショップの雰囲気が少しでも伝わったら嬉しいです。
ヘルシンキにお店がありますので、近くに来た際にはぜひ寄ってみてください!
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