夏のフィンランドを楽しむために蚊とダニ対策をしました

フィンランドの自然

フィンランドの良い所。それは治安の良さ、自然災害の少なさ、英語能力の高さなど
安心して観光がしやすい国であることでしょう。

6月以降、夏真っ盛りのフィンランドでは、人々が森へ湖へ海へ出かけてアウトドアを楽しんでいます。実は、フィンランドの自然にはダニや蚊など、対策が必要な生き物が沢山います。

特に、ダニの生息数の増加による感染症リスクの上昇が指摘されています。
特に沿岸部や群島エリアではダニの生息数が多いとされています。

ダニは虫よけスプレーやワクチン接種で予防が可能です。
今回は、フィンランドの夏のアクティビティーに欠かせないダニや蚊の予防法を紹介します。

ダニの危険性

日本と同じく、フィンランドにもダニが沢山います。
特に、近年は生息数が増えているといわれています。

ダニは茶色いゴマ粒のような見た目をしていて3 mm程度の大きさです。そのため、肌についてもよく見ないと気付きません。

普段、ダニは地面に近い草やぶにしがみついています。
そうして人間や他の動物が来たら飛び移ります。

ダニは地面に近い草むらに潜んでいます。遊歩道が整備されている場合は、草むらに近づかずに遊歩道を歩くのが安全です。

ダニの危険性

ダニは尖った口を肌に差し込み、血を吸います。
患部は1日~数日後に赤く腫れあがります。痛みやかゆみを伴います。

それに加えて、ダニは危険な感染症を媒介するリスクがあります。
・ダニ媒介性脳炎 (tick-borne encephalitis, TBE)
・ライム病

どちらも発熱や頭痛を伴う症状が見られます。TBEは命の危険に関わることもあります。また、ライム病は後遺症が残る恐れがあります。

ダニによる感染症リスクは、ダニによる吸血を防ぐ、すなわち適切な服装や虫よけ剤の使用により大きく下げられます。また、ダニ媒介性脳炎 (TBE) に関してはワクチン接種による予防が可能です。

TBEの発症に関しては、特定の地域でリスクが高いようです。

2015-2019年のダニ媒介性脳炎の症例報告数。Yleの記事から引用。

画像引用: Tick-borne encephalitis vaccine scheme expands
Image: Paula Collin / Yle, Tanja Ylitalo / Yle

予防① 適切な服装/虫よけスプレー

ダニや蚊、ブヨなどに幅広く有効なのは、適切な服装と虫よけスプレーの使用です。

適切な服装

・くるぶしが隠れる格好
・長袖長ズボン
・帽子
・場合によっては長靴

肌の露出部位をなるべく減らすようにしています。
特に、ズボンのすそから地肌が見えないように気を付けています。

虫よけスプレー

ドラッグストアやスーパーへ行けば虫よけスプレーが買えます。
含まれる有効成分はディートと呼ばれるもので、日本製の製品と同じです。

普段使っているものは下の画像のようなものです。
日本の一般的な虫よけスプレーはディート含有量が10%のものがほとんどで、高くても30%なのですが、こちらの製品はなんと50%…! 熱帯雨林でも使えるそうですが、17歳未満の方には使用できません。

ちなみにですが、おばあちゃんのような匂いがします。
ダンナとヨメの二人とも意見が一致したので、たぶん間違いないと思います笑

超強力な虫よけスプレー。なぜかおばあちゃんのにおいがする。

子どもでも安心して使える製品は別にあります。
こちらの有効成分の量は日本の製品と大体同じです。

家族みんなで安心して使えるものです。

FREE FAMILY & KIDS 100 ML
画像引用: Yliopiston Apteeki HP

値段はどれも8-10ユーロ程度です。

フィンランドの蚊は大きく、水辺ならどこでも沢山います。日本で蚊に刺されて腫れやすい人はこちらでもきついと思うので、しっかり対策をした方がいいと思います。

予防② ダニ媒介性脳炎 (TBE) ワクチンの接種

前述のとおり、ダニの危険性は感染症リスクにあります。
ダニ媒介性脳炎 (TBE) はワクチン接種によって予防できます。

初めての場合、3回の接種が必要です。
1回目: 任意の時期 (春の初めが推奨)
2回目: 1回目から2週間以降
3回目: 2回目から5か月以降
4回目: 3回目から3年をめどに再接種

TBEの感染リスクはそこまで高くはないことや、接種完了に時間がかかることから、長期滞在者向けの対策だと思います。

ワクチンバス

ワクチンは所定の場所でも接種出来ますが、面白いのは専用の巡回バスがあることです。

複数の業者がワクチン接種サービスを提供しているみたいです。
RokotePalvelu, Rokotenyt, Pihlajalinnaなど

巡回バスのスケジュールは、各会社ごとのホームページで確認できます。
例: RokotePalveluが提供するワクチンバス、Rokotebussi

1回あたりの値段はおよそ60ユーロ (1ユーロ=170円換算でおよそ10,000円)。
かなり高く感じますが、死にさらされるよりはマシなので接種しました。

フィンランド保健福祉研究所 (THL)が定める特定のエリアに住む人は無料で接種ができるそうです。また、ワクチン接種が推奨されるエリアもホームページ上には掲載されています。
引用HP: TBE vaccine, also known as the ‘tick vaccine’

ワクチンバスに行ってきました

二人とも、注射が大の苦手なのですが、森や海辺に頻繁に行くのでワクチンを接種することにしました。

戦々恐々としながらガチガチに身構えて会場に行くと、ありました。これが今回の主戦場です。

緩い雰囲気。経過観察用に用意された1つだけの椅子には、ワクチン接種をしていないお子さんが座っていた。ダニの怪しげな雰囲気とのギャップがとても良い。

会場はスーパーの駐車場。そこにバスがぽつんと1台だけ。
日本なら最寄りの駅からのぼりを立てたり、受付にもっとたくさんの人を配置すると思うのですが、ここはフィンランド。なかなかに緩い雰囲気とダニの邪悪な雰囲気のミスマッチがとても良いです。

簡単に問診票の記入を済ませると、すぐに接種です。
緊張しましたが、ベテランの看護師さんが”神業”で一瞬で打ってくれました。他のワクチン接種と違い、ほとんど痛みは感じませんでした。二人でよかったよかったと安心しました。

痛みなく終わってよかった~

電話番号を登録すれば2回目以降の日程をSMSでアナウンスしてくれます。
おかげさまで2回目以降の接種も忘れず受けられました。

ダニがついてしまったら

ダニがついてしまったら。自分たちはまだダニに刺されたことは無いのですが、現地の友人のアドバイス通りに対策はしています。

ダニチェック

森や水辺から帰ってきたら、頭から足までダニがついていないか確認します。
耳の裏や服の下など、目につきにくい所についていることもあるそうです。

フィンランド人の友人曰く、ダニがついてから24時間以内に取れれば感染リスクは著しく下がるそうです。

ダニがついていたら、必ずpunkkipihditやpunkkipihditと呼ばれる専用のピンセットで除去する必要があります。手で取ると、疾患の感染源となるダニの口部分が肌に残ってしまうためです。

これは持ち運びやすいタイプのものです。ピンセット状の製品もあります。

ダニを専用のピンセットで除去後は、消毒をします。
腫れあがる場合は病院に行く必要があります。

最後に

フィンランドの魅力の1つは、身近に豊かな自然が広がっていることです。

ヘルシンキの市街地からバスで30分圏内に豊かな自然が広がっています。

市街地から少し足を伸ばせば、公園や自然公園があります。
6-7月のこの時期、フィンランドは1年で一番良い天気に恵まれます。しっかり対策をして、自然に触れてみてはいかがでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました