レストランで特別な一皿を楽しむのは旅の醍醐味です。
しかし、フィンランドを歩いていてふと気になるのは、地元の人たちが通うスーパーの棚に並ぶ「いつもの食べもの」。
その土地の暮らしは、日常の生活そのものです。
観光ガイドに載っていない、でも現地の人には当たり前の“ちょっとした一品”から、フィンランドの暮らしの香りを感じてみませんか?
この記事では、現地で試したい「スーパーで出会えるフィンランドのご当地食材」を、家庭の味や食べ方とともに10個ご紹介します。
① カレリアパイ (Karjalanpiirakka)
ライ麦の薄い皮に、ミルク粥をのせて包んだ素朴な焼きパイ。温めてから、バターと刻んだゆで卵を混ぜた「ムナヴォイ (munavoi)」をのせるのが定番。朝食や軽食として家庭でもよく登場する定番の味。
- 値段の目安: 6個で2-4€ほど
- 見かける場所: パンコーナーまたは冷凍棚
- 旅先アレンジ: 電子レンジやオーブンで温めて、ゆで卵とバターでいただく


② オーツ麦パン(Kauraleipä)
フィンランドのパン売り場はオーツ麦の宝庫。軽くトーストすると香ばしさが引き立ち、バターやチーズとの相性も抜群。繊維豊富で、日本人の口にも合いやすい素朴な味わいです。
スーパーの食パン売り場では種類の豊富さにびっくりしますが、ライ麦パンであればRuis (ルイス=ライ麦)、オーツ麦パンであればKauraleipä (カウラ =オーツ麦)という表示を基準に選ぶと分かりやすいです。
- 値段の目安: 1斤で1.5〜3€前後
- 見かける場所: パン売り場。袋入りまたはベーカリーの棚。
- 旅先アレンジ: チーズやハムをのせてオープンサンドに。ジャムとの相性も◎。

③ 燻製サーモン(Savulohi)
冷蔵コーナーで見かける大きな燻製サーモン。ほどよく脂がのり、しっとりした食感が特徴です。スライスされたものをそのままパンにのせて、ディルやサワークリームを添えれば北欧らしい朝ごはんに。
- 値段の目安: 100gあたり3〜5€ほど(スライス済みは割高)
- 見かける場所: 冷蔵の魚コーナーやパック売りのコーナー
- 旅先アレンジ: クラッカーやパンにのせてそのまま食べられる。サラダのトッピングにも
④ ニシンのマリネ(Silli)
マスタード風味の「Sinappisilli」や甘酸っぱい「Matjessilli」など、瓶詰めの味付きニシンは種類も豊富。冷たい前菜として、茹でたじゃがいもや黒パンと一緒に。やさしい酸味がクセになります。
ダンナは好きですが、ヨメはちょっと苦手。
好みが分かれる味です。
- 値段の目安: 1瓶(250〜300g)で1.5〜3€前後
- 見かける場所: 冷蔵棚の魚加工品コーナー
- 旅先アレンジ: 瓶のまま、パンと一緒に。サワークリームを添えると本格的
⑤ フィンランドのチーズ(Juusto)
酪農大国フィンランド。
チーズなのにパンのような食品、「Juustoleipä(パンチーズ)」など、個性豊かなチーズが豊富。独特な一品だけれど、おやつ感覚でどうぞ。旅先で試してみたい一品です。
- 値段の目安: Koskenlaskijaは200gで2.5〜4€、Juustoleipäは250gで4〜6€ほど
- 見かける場所: チーズコーナー。Juustoleipäは特設棚にあることも
- 旅先アレンジ: Juustoleipäはベリーのソースやジャムをかけると絶品。
⑥ ヨーグルト(Jogrutti)
乳製品が豊富なフィンランドでは、豆乳やオーツミルクで作られたヴィーガンヨーグルトも一般的。冷蔵棚に色とりどりのカップが並び、ベリーやバニラ風味など味も豊富です。フィンランド人はお昼ご飯またはおやつとして食べている人も多い印象があります。
- 値段の目安: 150gのカップで0.7〜1.2€、大きめサイズで2〜3€
- 見かける場所: 冷蔵の乳製品コーナー
- 旅先アレンジ: 冷凍ベリーをのせてスプーンで楽しむだけで、カフェ風朝ごはんに
⑦ 森のキノコのサラダ&ポテトサラダ(Metsäsienisalaatti / Perunasalaatti)
キノコの酢漬けとサワークリームのまろやかな森の味「metsäsienisalaatti」。じゃがいも好きの国らしい、酸味の効いたポテトサラダも人気。冷菜としてパンに添えると北欧の食卓に早変わり。
- 値段の目安: 200g前後のパックで1.5〜3€ほど
- 見かける場所: 冷蔵の惣菜コーナー
- 旅先アレンジ: パンにのせてオープンサンドにしたり、サーモンと一緒に盛りつけても
⑧ ソーセージ(Makkara)
太めのソーセージが真空パックでずらりと並ぶ冷蔵棚は圧巻。グリルで焼いて粒マスタードを添えるだけで、満足度の高い一品に。キャンプや湖畔のコテージでの食事にもぴったり。
- 値段の目安: 400〜500gパックで2〜4€
- 見かける場所: 冷蔵の精肉コーナー
- 旅先アレンジ: フライパンやオーブンで焼くだけでOK。パンに挟めばホットドッグ風に
⑨ 濃縮ベリージュース(Marjamehu)
ベリー王国フィンランドでは、ブルーベリーやリンゴンベリーの濃縮ジュースが定番。水や炭酸水で割って飲むのが基本ですが、ホットにして飲む人もいるみたいです。ビタミン補給にぴったり。
- 値段の目安: 500ml〜1Lで2〜4€(濃縮タイプ)
- 見かける場所: 飲料コーナーやビタミン飲料近く
- 旅先アレンジ: ホテルのポットでお湯割りにして、ほっと一息。炭酸水で割ればさっぱり疲労回復。
- FinnairのブルーベリージュースはK marketでも売っていますのでお土産にどうぞ。
⑩ 冷凍ベリー(Pakaste-marjat)
冷凍コーナーには、クラウドベリーやビルベリーなど日本では珍しい森のベリーがずらり。ヨーグルトやオートミールに添えるだけで、朝の食卓がぱっと華やかに。自然の恵みを感じる一品です。
- 値段の目安: 200〜300g入りで2〜4€前後
- 見かける場所: 冷凍食品コーナー。小さめの袋入りが多い。
- 旅先アレンジ: レンジで軽く解凍してヨーグルトに。マリネしてサラダに添えるのも◎
おまけ – ご当地ポテチ
フィンランドのスーパーには、国産じゃがいもを使ったチップスが並び、味のバリエーションも意外に多様です。
とくに定番の“サワークリーム&ディル”味は、日本ではあまり見ない、フィンランドらしい組み合わせ。ムーミンデザインのパッケージがある商品もあり、旅のおともにも、ちょっとしたおみやげにもぴったりです。
- 値段の目安:1袋 2〜3ユーロほど
- 見かける場所:スーパーのお菓子コーナー
- 旅先アレンジ:ホテルの部屋でドリンクと合わせて「おつかれさま会」、あるいは森歩きのおやつとして持って行くのも◎。

おわりに
旅先で、スーパーの棚をのぞいてみる。
それはきっと、その土地の暮らしにちょっとだけ触れる小さな冒険。
キッチンのある宿であたたかい朝食を作るもよし、おやつ代わりにベンチでつまむもよし。
「食」は、旅の中でもっとも身近な文化体験かもしれません。
どこか懐かしく、でも新しい。
そんなフィンランドの味を、旅の記憶にそっと加えてみてはいかが?
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