【移転間近】行くなら今！聖地ソンパサウナ

こんにちは！

フィンランドの首都ヘルシンキにあって、公衆サウナ文化を守り伝え続ける
まさに”伝説的な”サウナの聖地、それが「ソンパサウナ」です。

そのソンパサウナは周辺地域の再開発のため2024年秋ごろに別の場所に移転予定です。
サウナ好き、フィンランド好きなら必見！見納め間近のソンパサウナの行き方、魅力、現在と将来まで一挙ご紹介します！！

年間12万人が利用！”聖地”ソンパサウナ
移転間近！今だけのソンパサウナ
ソンパサウナへのアクセス
持ちもの & サウナの雰囲気
なぜ今行くべきか -平等な街を体現する公衆サウナ-
ラストチャンスで整いましょう！
ソンパサウナの公式HPと場所
1. hokuo_hutarigoto

年間12万人が利用！”聖地”ソンパサウナ

ソンパサウナはヘルシンキ中心部からほど近い、年間12万人もの利用客に支持されるサウナの聖地です。
　
新興住宅地の再開発が進むエリアのはずれに突如として現れる、驚くほどお粗末でひらけた外観のサウナ。

入場料無料、年中無休、すべてセルフサービス。
必要最低限度の設備ながら、いつでも誰でも自由に利用できる「真の」公衆サウナです。

元々、このサウナは2011年に数人の市民の手によって、廃棄された薪ストーブを元に作られたものです。その後、徐々に人気を博していき、サウナ運営の指導と公衆サウナ文化の促進を目的として2013年から現在まで市民団体によって管理されるようになりました。
Sompasauna公式HP参照

現在では年間12万人、最盛期の夏には1日500人もの利用者がおり、日本人のサウナーにも熱狂的な支持を受けていると聞きます。フィンランドのニュースでも以下のように紹介されていました。

Vakisaunojat kertovat, että usein aamuisin Sompasaunalle karauttaa japanilaisturisteja bussilasteittain, suoraan lentokentältä.

常連のサウナ利用者によると、日本人観光客のバスが朝、空港から直接ソンパサウナに到着することが多いという (原文訳)。
Yle newsより一部抜粋

移転間近！今だけのソンパサウナ

日本語のウェブサイトやSNS等でもたびたび紹介される超人気のソンパサウナですが、2024年の秋ごろにはヘルシンキ市内の別の場所へ移転する見込みです。

サウナの周辺地域は、2009年から継続的に再開発が進められているエリアです。ソンパサウナは新興住宅地開発のため、2024年10月をめどに立ち退きを余儀なくされています。

ソンパサウナの管理団体はヘルシンキ市とともに新たな候補地の選定をしているようですが、2024年5月時点で最終候補地は定まっていないようです。

有力な候補地は、近郊のこぎれいな別荘地 (キヴィノッカ, 下の地図参照) だそうです。そのため、移転先によっては”ヘルシンキの都市文化を代表する公衆サウナ”という性格が失われるという不安の声もあります。

ソンパサウナへのアクセス

まもまく見納めのソンパサウナ。ここではヘルシンキ中央駅からサウナまでの2種類のアクセスならびにそれぞれのメリット/デメリットを紹介します。

ヘルシンキ公共交通機関の利用には、HSLアプリのダウンロードおよびクレジットカードの登録を済ませておくと便利です！

注1) ヘルシンキ中央駅およびソンパサウナはどちらもエリアA内ですので、エリアABのチケットを購入しましょう。
注2) 夏季のヘルシンキ市内の道路工事等により路線変更等があります。HSLアプリで最新情報を確認するようにしてください。

① メトロ
・「Rautatientorin metroasema」駅 (ヘルシンキ中央駅の地下鉄ホーム)で”M1線Vuosaari行き”あるいは”M2線Mellunmäki行き”に乗車
・4駅先の「Kalasatama (カラサタマ)」駅で下車
・徒歩17分で到着

メリット
各駅に必ず停車するので降車駅を間違えにくい

デメリット
地上と地下のアクセスが分かりにくい
Kalasatama駅からサウナまでの徒歩距離が長い

② バス
・ヘルシンキ中央駅の正面出口を左に向かった先にあるバス乗り場へ
・「2番乗り場」から”55番 Kalasatama経由Koskela行き”のバスに乗車
・8駅先の「Agroksenkuja (アグロクセンクヤ)」駅で下車
・徒歩6分で到着

メリット
・Agroksenkuja駅到着後のアクセスが良い

デメリット
・各駅ではないので、目的地周辺でバスに設置されているSTOPボタンを押して、降車したいと運転手に知らせる必要がある

周囲は工事現場ですので、Google map等を活用して迷わないよう注意しましょう！入り口のキリン像が目印です。

持ちもの & サウナの雰囲気

ソンパサウナに用意されているのは、基本的に「サウナ室」のみです。
以下に示すものは持っていきましょう。

必須なもの
・タオル
・飲み物
あるとよいもの
・水着
・着替え
・水着を持って帰るためのビニール袋
・サンダル
・サウナハット
・南京錠

入り口正面に屋外の着替えスペースがあるので、恥ずかしがらず着替えましょう。一応、ロッカーがあるのですが、南京錠を持参しないと施錠できません。

裸でも水着でも問題ありません。現地の方の2-3割程度は裸です。トップレスの女性を少なからず見かけます。海外の方はほとんどが水着着用です。

サウナ室はすべて薪を燃料に加熱した焼石に水をかける、いわゆるロウリュ式です。ストーブの近くに座った場合は適宜、石に水をかけましょう。絶え間なく、そして惜しみなく水をかけるのがフィンランド流です。

サウナ室は以下の3つです。
①入り口正面右手にある15-20人用の最も大きいサウナ室
　茶色い壁にアザラシの絵がトレードマークです。最も”マイルド”で入りやすいです。

①最も大きく入りやすいサウナ室。アザラシの絵が目印です。サウナ室の左手が”青空”更衣室とロッカーです。

②大きいサウナ室の隣にある、青い壁が目印の5-6人用の小さなサウナ室
　ここが一番熱いです。サウナハットなしでは髪が焼けそうになります。中にいるのはほぼ常連さんですが、”welcome to HOT sauna!!” などと言って皆さんを歓迎してくれると思います。覚悟して入りましょう。

③一番奥にある赤い壁が目印のサウナ室
　6-7人程度が入り、温度は大きいサウナ室と同じくらいです。

②青いサウナ室。とーっても熱いです。③赤いサウナ室。小さいですがちょうど良い温度です。

週末は混雑するのでサウナ室に行列ができることがあります。列を割り込まないように気をつけましょう。

自己責任ですが、しっかり体が温まったら海に入るのがおすすめです！海に入るための階段を利用しましょう！自然豊かな海辺と対岸の島を望めて気持ちが良いです。
海から上がったら、外気浴するもよし、サウナドリンクを飲むのもよし、気温が低い日は再びサウナ室へ戻るのもよし。ピアノが置いてあり、外気浴がてら弾いている方もいました。

画像引用: Yle news, Markku Pelkonen / Yle

なぜ今行くべきか -平等な街を体現する公衆サウナ-

なぜ、ソンパサウナをオススメするか。

それはソンパサウナが公衆サウナの象徴的存在であるとともに、ヘルシンキという都市の平等で公平な雰囲気を肌で感じられる場所だからです。
そして、そのような雰囲気は2024年秋ごろには見納めになる可能性があるからです。

前述のとおり、ソンパサウナは数人の市民により造られました。最初は違法建築物でしたが、草の根的に知名度を高めてきました。超人気の観光スポットとなった現在でも、「誰にでも利用可能なサウナ」を貫き通しています。

市民が自主性と平等性を重んじて行動する。そして、ヘルシンキ市は市民を信頼して、民主的でクリーンな話し合いを進める。このようなヘルシンキ市と市民の活動は素晴らしいと思います。

そんなソンパサウナも、周辺地区一帯の再開発プロジェクトにより移転予定です。

サウナの周辺地区は「カラサタマ」と呼ばれる港湾地区があったエリアで、2000年代初頭から再開発が進められてきました。現在、2040年ごろの完成をめどに、公共サービスや住民の生活が効率よく結びついた「スマートシティ計画」が進行中です。
引用: Kalasatama Smart City

この計画は2009年ごろから継続して行われてきたプロジェクトの集大成ともいえるもので、市民全員が参画しやすく、オープンで平等な設計が特徴の先進的な都市計画です。

サウナの移転は残念ですが、先進的かつ歴史的建造物を活かしたまちづくりが進められるようなので、再開発後の景観を楽しみにしています！